健康診断ガイド

2.検査結果の見方と注意

血液一般検査

赤血球数〈RBC〉

どんな検査か
赤血球(せっけっきゅう)とは

赤血球は、血液成分の大部分を占めています。赤血球は骨髄(こつずい)でつくられた後、血液中に流れ出て、肺で受け取った酸素をからだじゅうの組織細胞に運び入れ、そこで不要になった二酸化炭素を運び出す働きをしています。
赤血球の中にはヘモグロビンという血色素(けっしきそ)が含まれており、これが酸素や二酸化炭素の運搬(うんぱん)役をしているのです。
赤血球の寿命は、約120日です。毎日4、5万個が脾臓(ひぞう)や肝臓で壊される一方で、新しい赤血球がつくられています。

検査でわかること

赤血球が減ると、酸素の運搬能力が低下し、酸欠状態になって貧血をおこします。極端な場合には生命の危険におちいることさえあります。
逆に赤血球の数が増えすぎると、血液が濃くなって流れにくくなり、血管がつまりやすくなります。
赤血球数検査では、静脈や耳たぶ、指先からとった末梢(まっしょう)血液をハイエム液で薄め、それを顕微鏡でのぞいて、1μℓ(1mm3)あたりの赤血球数を数えます。

基準値とその変動
基準値に男女の差

赤血球数の測定結果の判定基準は、次のようになっています。A(異常なし)が基準値で、男性は400万~539万/μℓ、女性は360万~489万/μℓです。
●赤血球数の判定基準
男性…400万~539万/μℓ→A(異常なし)
  540万~579万/μℓ→B(軽度異常だが心配なし)
  360万~399万/μℓ→C(要経過観察)
  359万/μℓ以下、または580万/μℓ以上→D(D1…要医療またはD2…要精検)
女性…360万~489万/μℓ→A(異常なし)
  490万~519万/μℓ→B(軽度異常だが心配なし)
  330万~359万/μℓ→C(要経過観察)
  329万/μℓ以下、または520万/μℓ以上→D(D1…要医療またはD2…要精検)
男性より女性のほうが少ない理由はよくわかっていませんが、おそらく生理による出血が原因ではないかと考えられています。

時間・季節・運動などによる変動

赤血球は朝に多く、夜には数%減少するといわれています。季節的には夏に少なく、冬に多くなります。
また、運動や喫煙(きつえん)によって高値を示す傾向があります。女性では妊娠のときに低値になります。

異常値と疑われる病気
赤血球数が減少すると貧血(ひんけつ)

赤血球数が少なくなると貧血になります。貧血が進むと顔面が蒼白(そうはく)になり、手足の冷え、動悸(どうき)、息切れ、めまいなどをおこし、さらに重くなると心不全(しんふぜん)、ショックなどをおこします。貧血には、次の3種類があります。出血や食事中の鉄分不足によっておこる低色素性小球性(ていしきそせいしょうきゅうせい)貧血(鉄欠乏性貧血)、肝臓、脾臓(ひぞう)の腫(は)れや黄疸(おうだん)が出る大赤血球性(だいせっけっきゅうせい)貧血(悪性貧血)、赤血球が破壊されて溶血(ようけつ)をおこしたりする正赤血球性(せいせっけっきゅうせい)貧血(再生不良性(さいせいふりょうせい)貧血、溶血性貧血など)です。
このうち、大赤血球性と正赤血球性の貧血は非常にまれです。

貧血の原因

低色素性(小球性)貧血は、鉄分の欠乏のためにおこりますが、その原因としては、次のことが考えられます。
胃の全摘出手術による鉄の吸収障害や胃がん・胃潰瘍(いかいよう)、痔(じ)、尿路障害(にょうろしょうがい)による持続的な出血、過度のダイエットによる栄養不足など。女性では子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や月経過多症(げっけいかたしょう)で生理の量が増え、重症の低色素性貧血になることがあります。
このほか、低色素を示す貧血には、白血病、骨髄腫(こつずいしゅ)、関節リウマチが原因となっている場合もあります。

赤血球が増加する多血症(たけつしょう)

赤血球数が多い状態は、多血症(赤血球増多症)が考えられます。血液がねばっこく流れにくくなって、顔面が紅潮し、のぼせ、頭痛、発汗(はっかん)などの症状が現われます。中年以降の人に多くみられ、たいていは高血圧を伴います。

異常値のときどうするか
低色素性貧血なら鉄分をとる

貧血の場合は、貧血の種類を調べる二次検査を受けてください。とくに再生不良性貧血や悪性貧血(巨赤芽球性(きょせきがきゅうせい)貧血)、溶血性貧血、多血症などでは特別な治療が必要になります。
いちばん多いのが低色素性貧血で、女性に多くみられます。鉄分の不足が原因ですから、ほうれんそうなどの緑黄色野菜、レバー、肉など、鉄分の多いものを食べるように心がけましょう。

運動上の注意

無理なダイエットをするのも禁物です。貧血が進むと、心臓にかなりの負担がかかってきます。このようなときは運動を避けてください。ただし軽度の貧血なら、運動してもかまいません。

基準値

〔男性〕400万~539万/μℓ

異常値を示すおもな病気

〔低値〕貧血

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊

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