終戦直後の日本では、寄生虫の感染率が80%をこえていました。その後、衛生状態が改善され、感染率は激減しましたが、近年生(なま)野菜の摂取(せっしゅ)やペットの飼育、海外旅行先での感染などにより、さまざまな寄生虫病がみられます。
寄生虫は、臓器の中で繁殖(はんしょく)し、その一部や卵が便に混じって出てきます。便を採取して顕微鏡で調べますが、蟯虫(ぎょうちゅう)は肛門(こうもん)周囲に産んだ卵を特殊なセロハンテープではがしとって調べます。
便の中に含まれる寄生虫や卵が診断の決め手になります。どちらも含まれておらず、陰性(-)なら正常です。
便の中に卵、または寄生虫の一部が混じっていても、陽性(ようせい)(+)とされ、異常と判定されます。わが国でみられるおもな寄生虫病は「寄生虫病の分布・感染経路と症状」のとおりです。
消化管に寄生する寄生虫の大半は早期に発見し、駆虫剤を飲めば治ります。
ただし肝障害などを伴う場合は肝機能検査などをしたほうがよいでしょう。
陰性(-)
蟯虫症(ぎょうちゅうしょう)、鞭虫症(べんちゅうしょう)、糞線虫症(ふんせんちゅうしょう)、回虫症、条虫症など
出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊