健康診断ガイド

2.検査結果の見方と注意

尿の検査・便の検査

尿比重(にょうひじゅう)

どんな検査か
尿比重とは

腎臓(じんぞう)は、血液をろ過(か)して体内の不要物や余分な水分を尿として排泄(はいせつ)し、体液の成分や水分を調節しています。
したがって、尿の中には尿素(にょうそ)や窒素(ちっそ)などのほか、ナトリウムやクロールなどの電解質(でんかいしつ)が含まれているため、尿の比重は水分より高くなっています。

検査でわかること

腎臓は、濃い尿や薄い尿をつくって体内の水分を調節します。そのため腎臓の働きに障害がおこると、尿がふだんよりも濃くなったり、薄くなったりして、尿比重が大きく変わります。尿比重検査では、この変化を調べ、おもに腎臓の病気を探る手がかりとします。

基準値とその変動
起床時から1時間おきに3回測定

尿比重は、健康な人でも1.003~1.035の間を変動します。多量の水をとれば尿比重は低くなりますし、長時間水分をとらなければ高くなります。
そこで尿比重の測定には一定の条件が必要になります。検査前日の夕食時に水200mℓと高たん白質をとった後、飲み食いせず、翌朝の起床時から1時間おきに3回尿をとって調べるのです。
この状態で測定して尿比重が1.020~1.025なら、正常の範囲といえます。

異常値と疑われる病気
高すぎても低すぎても異常

尿比重が1.012以下なら、腎臓の尿濃縮力(にょうのうしゅくりょく)が低下する慢性腎炎や尿崩症(にょうほうしょう)が疑われます。1.030以上の場合は、尿が過剰に濃縮される心不全(しんふぜん)や、糖尿病などが考えられます。

異常値のときどうするか
原因となる病気の治療が大事

まず、脱水症や心不全、糖尿病など、異常値の原因となっている病気の治療が大事です。尿比重が常に1.012以下なら腎機能(じんきのう)検査や抗利尿(こうりにょう)ホルモンなどの内分泌検査(ないぶんぴつけんさ)が必要となります。

基準値

1.020~1.025

異常値を示すおもな病気

〔低比重〕慢性腎炎(まんせいじんえん)、尿崩症(にょうほうしょう)

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊

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