健康診断ガイド

2.検査結果の見方と注意

尿の検査・便の検査

尿沈渣(にょうちんさ)

どんな検査か
尿沈渣(にょうちんさ)とは

尿を遠心分離器(えんしんぶんりき)にかけると、赤血球や白血球、上皮細胞(じょうひさいぼう)、円柱細胞(えんちゅうさいぼう)、細菌、尿酸結晶(にょうさんけっしょう)などの固形成分が沈殿します。それらの沈殿物を顕微鏡で観察し、どの成分が増えているかを調べるのが尿沈渣です。

検査でわかること

尿沈渣は、「尿たん白」や「尿潜血反応」などの尿検査が異常値を示すときに行なわれる検査です。腎臓(じんぞう)や尿路の病気だけでなく、全身のさまざまな病気について診断する手がかりを得るために行なわれるものです。

基準値とその変動
1視野に微量なら正常

顕微鏡で見た1視野に、赤血球なら1個以内、白血球なら3個以内で、円柱細胞はみられず、少数の上皮細胞と少量の結晶があるだけなら、正常です。
生理中の女性は赤血球や白血球などが多くなるため、検査を避けましょう。

異常値と疑われる病気
増加する成分ごとに違う病気

尿路の病気の場合には赤血球や白血球、円柱細胞のほか、多量の上皮細胞、結晶成分が認められます。とくに尿路結石の場合の赤血球、尿路感染症の場合の白血球、腎炎の場合の円柱細胞などには注意が必要です。
このほか、尿沈渣の結果、どの成分が増えているかにより、下のような病気が疑われます。
●尿沈渣の異常で疑われる病気
◆赤血球の増加…尿路(にょうろ)結石、尿路腫瘍(しゅよう)、腎炎、ネフローゼ症候群(しょうこうぐん)、膠原病(こうげんびょう)、尿路感染症、特発性腎出血(とくはつせいじんしゅっけつ)
◆白血球の増加…腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)などの尿路感染症
◆円柱細胞の増加…糸球体(しきゅうたい)腎炎、腎盂腎炎、慢性腎炎、ネフローゼ症候群
◆異型細胞の増加…悪性腫瘍、白血病
◆結晶成分の増加…腎結石、急性肝炎、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)、痛風

異常値のときどうするか
再検査や二次検査を受ける

赤血球や白血球は一時的に多くなることもあるので、必ず再検査を受けてください。異常値のときは腎機能検査や尿路(にょうろ)X線検査、超音波(ちょうおんぱ)検査などの二次検査を行ない、病気を診断します。

基準値

〔赤血球〕1視野に1個以内

異常値を示すおもな病気

尿路結石、尿路腫瘍(しゅよう)、尿路感染症、糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)、慢性腎炎

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊

ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社