私たちの生命活動のエネルギー源は、ブドウ糖です。そのため、血液の中には、常に一定のブドウ糖が含まれており、これを血糖(けっとう)といいます。
血糖は、膵臓(すいぞう)から分泌(ぶんぴつ)されるインスリンというホルモンの働きで分解されてエネルギーに変わり、残りは水と二酸化炭素となって体外に排泄(はいせつ)されます。
健康なときなら、糖は尿中に出ることはなく、出たとしても尿細管(にょうさいかん)で吸収されて血液中に戻ります。
ところが、からだに異常があって血糖値(けっとうち)が一定限度をこえ、尿細管にしみ出る糖が多すぎると、一部が再吸収されずに、腎臓から多量の糖が尿にもれ出てきます。この尿の中の糖を測るのが尿糖の検査です。
尿糖検査は、糖尿病(とうにょうびょう)のスクリーニング検査としてよく行なわれています。尿糖が出ているかどうかを試験紙で調べる定性検査と、1日分の尿中に出る糖の量を調べる定量検査とがあります。
尿糖が出ていなければ、定性検査では陰性(-)を示し、正常です。
また、定量検査で、尿糖の量が1日1g以下なら、基準範囲です。
副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンなどの服用や妊娠中などでも陽性になることがあります。
定性検査で疑陽性(±)か、陽性(+)なら、糖尿病が疑われます。定量検査で尿糖が1日1gをこえても異常値となります。
血糖値が一定の限度をこえると、尿中に糖がもれ出てきます。このときの血糖値を尿糖排泄閾値(にょうとうはいせついきち)といいます。
この値が低いと、血糖値が正常でも尿糖が出ることがあります。これを腎性糖尿といいます。腎性糖尿は若い人に多いのですが、必ずしも病気とはいえず、とくに心配はいりません。
尿糖検査で陽性なら糖尿病が疑われますが、この検査だけでは糖尿病と診断することはできません。さらに血糖検査(「血糖〈BS〉」参照)や「ブドウ糖負荷試験〈GTT〉」を行なって、空腹時(くうふくじ)血糖値が126mg/dℓ以上、随時(ずいじ)血糖値が200mg/dℓ以上なら糖尿病と判定されます。
腎性糖尿は、将来、約10%が糖尿病に移行する可能性があるので、年に1度は検査を受けておくと安全でしょう。
また、肥満している人は、糖尿病の予防のために、標準体重(「身体測定〈肥満度の検査〉」参照)に近づけるよう努力しましょう。
糖尿病の予防法は、(1)飲みすぎや食べすぎを避ける、(2)栄養のバランスをよくとる、(3)適度の運動をする、(4)ストレスをためない、などです。
糖尿病と診断されたら、すぐ治療が必要です。重症度により食事療法、薬の服用、インスリン注射など、治療方法が違いますので、必ず専門医に相談し、定期的にチェックを受けましょう。
〔定性検査〕陰性(-)
糖尿病、腎性糖尿
出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊