超音波は、耳に聞こえないくらい周波数の高い音で、一定方向に強く直進する性質があります。超音波をからだの中に発信すると、その中の臓器の形や組織の状態によって、超音波はさまざまな物理的変化を受けます。その変化エコー(反射波)を受信し、画像化して診断するのが超音波検査です。
超音波検査は、もっとも安全で手軽な検査で、腹部超音波検査では、肝臓、胆のう、膵臓(すいぞう)、腎臓(じんぞう)など、腹部内臓器の病変部を観察し、診断します。
(1)腹部の病気の診断。
(2)腹腔(ふくくう)内の腹水や出血の診断。
肝硬変(かんこうへん)、胆石症(たんせきしょう)、胆のう炎、胆のう・胆管がん、膵炎(すいえん)、膵がん、水腎症(すいじんしょう)、腎がん、卵巣(らんそう)のう腫(しゅ)、卵巣がん、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)、子宮がん、腹水、大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)、前立腺がんなど。
超音波検査室であおむけの状態で検査しますが、部位によっては横向きやいすに座って検査することもあります。
腹部に超音波発振器(はっしんき)(プローベ)をおしあて、診断装置のブラウン管に臓器の断層面(だんそうめん)の画像を映し出して観察します。
検査時間は、数分から数十分です。
(1)前日夜9時から翌日検査が終わるまで絶食してください。水、お茶以外は、一切とってはいけません。
(2)寝たままで腹式呼吸の訓練をします。おなかに手をあててゆっくり息を吸い、おなかがふくらむのを確かめてから、口から息を吐(は)き出します。
(3)便秘ぎみの人は、あらかじめ申し出てください。おなかにガスがたまっていると、画像が映りにくくなるため、前日に下剤、またはガスをとる消泡剤(しょうほうざい)を服用することがあります。
(4)婦人科エコー検査では、膀胱(ぼうこう)に尿をためたまま行なうことがあります。
超音波が通りやすくなるようにゼリーをぬりますが、そのとき少し冷たい感じがするだけです。
(1)上半身裸になり、腹部を出しやすい検査着を着ます。
(2)指示されたら、おなかをへこませたり、ふくらませたり、息をしっかり止めたりします。
この検査だけで診断がつく場合は、その場ですぐ、説明されます。

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊