尿が排泄(はいせつ)される通り道となる腎盂や尿管(にょうかん)、膀胱(ぼうこう)などを造影剤(ぞうえいざい)で染め出し、それらの形の変化や異常を調べる検査です。この検査からは、それらの臓器の機能的な異常まではわかりません。
検査方法としては、静脈に造影剤を注入してX線撮影する方法(IP)と、膀胱内視鏡(ぼうこうないしきょう)とカテーテルを用いて造影する方法(逆行性腎盂造影、RP)とがありますが、ここでは一般によく行なわれている、前者についてとりあげました。
腎盂、尿管、膀胱の病気の診断。
尿管結石症(にょうかんけっせきしょう)、尿管狭窄(きょうさく)、腎盂腫瘍(じんうしゅよう)、水腎症(すいじんしょう)、膀胱腫瘍(ぼうこうしゅよう)など尿路系の病気。
X線透視台上で行ないます。まず、造影前に腹部の単純X線写真を撮ります。
次に、ヨード系造影剤を点滴か注射によって腕の関節内側の静脈に注射して、その造影剤が腎臓を経て尿道に排泄(はいせつ)されるまでの様子を、5分後、10分後、15分後、20分後というように、時間を追ってX線撮影していきます。
最後に膀胱にたまった造影剤が、排尿された後に撮影を行なって、検査を終了します。X線撮影装置が、天井のレールの上を移動します。検査時間は40分程度です。
(1)以前ヨード系薬剤でアレルギー反応をおこしたことのある人は、事前に必ず医師に報告してください。
(2)腸にガスがたまるとX線フィルムが読み取りにくくなるので、検査前に排尿、排便をすませておきます。ガスのたまりやすい人は前日に消泡剤(しょうほうざい)を服用することがあります。
ヨード系造影剤のアレルギー検査を行ないます。
造影剤を注入するとき少し痛みます。逆行性腎盂造影では、尿道から膀胱内視鏡を挿入するとき痛みを感じます。
(1)X線撮影しますので、金属のついた下着やベルトなどは取ります。
(2)造影剤の点滴中に気分が悪くなったら、すぐ申し出てください。
(3)撮影時は、しっかり息を止めます。
X線フィルムの現像後に診断が行なわれるので、検査結果は、およそ1週間後に説明されます。
なお、腎盂から膀胱までの尿路の機能的異常を調べるにはRI(放射性同位元素(ほうしゃせいどういげんそ))で腎盂造影検査を行ないます。

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊