がんや心臓病、高血圧をはじめ、脳血管障害(のうけっかんしょうがい)、肝臓病、糖尿病(とうにょうびょう)などの生活習慣病から自分を守るためには、定期的に健康診断を受けることが大切です。
現在、職場や市町村単位で年に1度は健康診断が行なわれていますが、さらに検査項目を多くして、自覚症状の出ないうちに生活習慣病を発見し(二次予防)、病気にかかりやすい生活環境を改善するよう指導し(一次予防)、問題があれば経過観察や専門医の紹介を行なうなど総合的な健康管理を行なうのが人間ドックです。
人間ドックには、日帰りで行なう1日ドックと、病院宿泊型のドック(1泊2日型が代表)があります。
〈1日ドック〉コンピュータによる検査の自動化で、一連の検査が3時間ほどで終了するため、当初、自動化健診と呼ばれましたが、現在では総合健診といわれています。日帰りでできる検査です。
〈2日ドック〉以前は短期ドックと呼ばれていた病院宿泊型の代表的なドックです。検査項目は、1日ドックとあまり変わりません。
〈3日以上ドック〉3日ドックや1週間ドックがありますが、行なっている施設は多くありません。1日ドックや2日ドックの検査は内科系が中心ですが、3日以上ドックでは各科の専門医によるきめ細やかな診断や指導を受けられます。時間的にゆとりがあるので、心身の保養を兼ねるという利点もあります。
再検査も受けられたり、がんや脳などの検査を追加できますが、期間が長い分だけ費用もかかります。あらかじめ検査項目や費用を確認し、追加検査が可能かどうかなど問い合わせておきましょう。
人間ドックでは、がんをはじめとする生活習慣病などについて全身の健康状態をチェックしますが、専門的な精密検査をするわけではありません。病気によっては不得意な領域があり、きめ細かさにも限りがあります。特定の病気を心配する人には専門ドックをおすすめします。
専門ドックでは、臓器別、疾患(しっかん)別にさらに専門的な検査が行なわれます。脳ドック、糖尿病ドック、肺ドック、胃ドック、主婦健診その他いろいろあります。
〈脳ドック〉脳は、数ある臓器のなかでももっとも検査のむずかしい臓器の一つです。そのため、従来は人間ドックの検査項目には含まれていませんでしたが、CTやMRIなどの画像診断装置の普及によって、近年は脳の検査が簡単にしかも安全にできるようになりました。
脳障害のなかでも、動脈硬化(どうみゃくこうか)によって脳の細い血管がつまる無症候性脳梗塞(むしょうこうせいのうこうそく)などの診断には、CTやMRI、MRA、SPECT(スペクト)、PET(ペット)などが有効です。
出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊