検査の基準値を国内共通にしようとする試みが続けられていますが、まだ完全に統一されてはいません。検査項目によっては検査施設ごとに検査の方法や、検査機器、試薬(しやく)が違い、測定値の単位も異なることがあるため、基準値そのものが施設ごとに違う場合があります。
検査結果をみる場合は、自分の受けた検査施設が示す基準値リストを、とりあえず判断の基準にすることが大切です。
現在、LDHやLAPなどの酵素系(こうそけい)の検査値に、とくによく使われている単位には、ユニット(U、IU)と、カタール(Kat)があります。U(ユニット)は、検査法ごとに決められる慣用単位で、IU(インターナショナル・ユニット)は、その国際単位です。
メートル法、ヤード法、尺貫法など、国によって異なる単位を国際的に共通化する国際単位系(SI単位)が、1960年に決められました。
欧米の医学界では、早くからSI単位が導入され、日本でも慣用単位にかわってSI単位が臨床検査に少しずつ取り入れられ始めています。とくに物質量の基本単位には、「g」などの重量単位にかわって「moℓ」(1gで表わされる分子量)が、容積の単位には「dℓ」のかわりに「ℓ」がそれぞれ用いられています。
SI単位と慣用単位では、物質ごとに測定値の換算率が異なります。たとえば、血糖値は100mg/dℓが5.55mmoℓ/ℓに、総コレステロール値230mg/dℓが5.96mmoℓ/ℓとなります。おもな検査の換算法は「おもな検査の慣用単位とSI単位」のとおりです。
日本では、まだ慣用単位の使用が一般的で、本書でもそれに従っていますが、海外で検査を受ける場合などにSI単位による検査数値を知らされたとき、その知識がないと、思わぬ誤解を生じることがありますので、注意が必要です。
出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊