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健康診断ガイド

1.検査の種類と受け方

検査を受けるときの予備知識

検査でわかること、わからないこと

検査の使い分け
症状に応じて行なわれる検査

検査項目を計画するケースは、大別すると、2通りあります。1つは病人として検査を受ける一般外来受診の場合、もう1つは集団検診や人間ドックのような健康診断の場合です。
人間ドックや集団検診では効率的に検査を進めるという条件があります。そのため、病気で外来を受診するときのように、1つの検査で異常がなければ、さらに別の検査で確認するといったことはありません。成人病検診の場合でも罹患率(りかんりつ)の高い慢性の病気や死亡率の高い病気について、全身の臓器をひととおり検査するだけです。
したがって、日常とくに心臓が心配な人は循環器(じゅんかんき)検診、肺がんが心配な人は肺がん検診というように、専門外来の検査を受けるとよいでしょう。

検査結果がすべてではない
人間ドックや健診にも限界が

人間ドックや集団検診を受けていれば、絶対安心かというと、そうとばかりもいえません。
人間ドックを受けた結果「すべて異常なし」と判定されたにもかかわらず、1か月後に心臓発作をおこして死亡したとか、脳卒中(のうそっちゅう)で倒れたなどという話をよく聞きます。
検査のときに、ほんとうに異常がなかったのでしょうか。もし、あったとしたら、人間ドックもあまり頼りにならないと思われることでしょう。こうした悲劇の原因は、ドックや集団検診にも限界があるということを、受診者が知らなかったためと思われます。

結果良好が裏目に

人間ドックを受診後、心筋梗塞(しんきんこうそく)をおこした例をとりあげてみましょう。
その患者は、ドックで検査を受けたとき、心電図(しんでんず)は安静時検査、運動負荷試験(うんどうふかしけん)とも前回と同じく所見に異常がありませんでした。また、前回認められた高脂血症(こうしけっしょう)もよくなっていました。ところが、その1か月後、心筋梗塞の発作をおこしてしまったのです。
このケースでは、検査結果が全面的に良好ということで安心してしまい、精力的に仕事をこなして過労ぎみになっていたとのことでした。

発作の4、5日前に兆候(ちょうこう)

今まで述べた患者の場合、発作の4、5日前から、階段を急いで昇ると前胸部に圧迫感があったといいます。
当日も急いで昇ったところ、胸痛と息苦しさに襲われ、救急車で病院に運ばれてきたのでした。入院後の心電図では新しい心筋梗塞が認められました。
発作の4、5日前におこった前胸痛は、狭心症(きょうしんしょう)の発作だったと思われます。心電図では異常はなくとも、心臓血管造影(けっかんぞうえい)検査を行なえば、細かい血管の狭窄(きょうさく)は確認できたでしょう。
こうした検査は、健診や人間ドックでは行なわれませんが、少なくとも4、5日前に圧迫感があったときに受診していれば、発作は予防できたはずです。

病気を予防するために
こうして病気を予防する

病気は、どのようにして予防できるのでしょうか。おもな生活習慣病を例にしてみましょう。
心筋梗塞]心筋梗塞では、交通信号同様、青からいきなり赤に変わることはありません。「発作の4、5日前に兆候」で述べたような黄色の注意信号にあたる予告があってから赤になります。
黄色信号が出たときに無視せずに、早い時期に受診することが危険の未然防止につながります。
脳卒中]完全な予測は不可能ですから、高血圧や動脈硬化(どうみゃくこうか)と、それらを招く肥満、ストレスなどさまざまな危険因子(いんし)に注意するしかありません。
がん]定期健診を受けるのが最大の予防です。肉親にがん患者がいる人は、なおさら受けるべきでしょう。
住民検診で行なわれている胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんのスクリーニング(ふるいわけ)検査で要精密検査を指示されたら、必ず受けましょう。胆(たん)のう、肝臓、腎臓(じんぞう)、前立腺(ぜんりつせん)その他の部位のがんについても、基礎的検査では発見が難しく、専門の検査を受けなくてはなりません。

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊

ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社